次に読むもの
コースを終えたら、短いものから順にカフカを読み進めましょう。原文の入手先と、辞書・翻訳の案内です。
読む順番のめやす
カフカの作品は、数行の小品から長編まであります。短く、文の組み立てが素直なものから始めるのがおすすめです。
- Kleine Fabel(小さな寓話)
ネズミと猫の、数行で終わる話。»Ach«, sagte die Maus(「ああ」とネズミは言った)で始まります。 - Der Aufbruch(出発)
主人と召使いの短い会話。現在形と過去形が混ざります。 - Eine kaiserliche Botschaft(皇帝の使者)
1ページほど。長い文が続きますが、枠構造の練習にちょうどよい作品です。 - Vor dem Gesetz(掟の門前)
読解3の続きを最後まで。2ページほどです。 - Heimkehr(帰郷)
父の家に帰ってきた「私」の独白。完了形と現在形で、短い文が多い作品です。 - Das Urteil(判決)
20ページほどの短編。カフカ自身が自分の書き方を見つけたと感じた作品で、『変身』の直前に書かれました。 - Die Verwandlung(変身)
読解2の続きを全部。60ページほどです。 - Ein Landarzt(田舎医者)
夢のように場面が飛ぶ短編。息の長い文が続き、少し難しめです。 - 長編:Der Proceß(訴訟)、Das Schloß(城)、Der Verschollene(失踪者/アメリカ)
原文を読める場所
カフカの作品は著作権の保護期間が終了しているため、無料で原文を読めます。
- Projekt Gutenberg-DE:ドイツ語圏の電子テキスト集。カフカの多くの作品があります
- Project Gutenberg:『変身』のドイツ語原文(電子書籍形式でダウンロードできます)
辞書
- 紙の独和辞典:初学者には『アクセス独和辞典』(三修社)や『新アポロン独和辞典』(同学社)が使いやすいです。巻末の不規則動詞変化表は、カフカを読むときに何度も開くことになります
- DWDS:ドイツ語のオンライン辞書。古い用例も充実しています
- Duden:ドイツ語の標準的な国語辞典
- Wiktionary(ドイツ語版):動詞の変化表や名詞の格変化が見やすく載っています
日本語訳と読み比べる
原文で読んだあとに日本語訳と読み比べると、訳者がドイツ語のどこをどう受け取ったのかが見えてきます。『変身』だけでも多くの翻訳があります。
- 丘沢静也訳『変身/掟の前で 他2編』(光文社古典新訳文庫):原文の簡潔さを生かした新しい訳
- 高橋義孝訳『変身』(新潮文庫):長く読まれてきた定番の訳
- 池内紀訳(白水uブックス「カフカ・コレクション」):カフカの小説全集を一人で訳した訳者による訳