第7課
過去形:物語の時制
Das Präteritum
カフカの小説の地の文は、ほとんどが過去形で書かれています。過去形の形を見て元の動詞がわかれば、小説を読む準備はほぼ整います。
この課で読めるようになるもの
Es war sehr früh am Morgen, … ich ging zum Bahnhof.
物語は過去形で語られる
ドイツ語の過去には、主に二つの言い方があります。会話では次の課で学ぶ完了形をよく使い、書かれた物語では過去形 (Präteritum) を使います。カフカの小説や短編の地の文は、ほぼすべて過去形です。
だから、この課の目標は過去形を作れることではなく、見て元の動詞がわかることです。
規則変化:-te をつける
多くの動詞は、語幹に -te をつけるだけで過去形になります。
| 不定詞 | 意味 | 過去形 |
|---|---|---|
| sagen | 言う | sagte |
| fragen | 尋ねる | fragte |
| glauben | 思う | glaubte |
| erwachen | 目覚める | erwachte |
| lächeln | ほほえむ | lächelte |
主語による語尾の変化は次のとおりです。ich と er/sie/es が同じ形になるのが特徴です。
| 主語 | sagen |
|---|---|
| ich | sagte |
| du | sagtest |
| er / sie / es | sagte |
| wir | sagten |
| ihr | sagtet |
| sie / Sie | sagten |
Er lächelte und sagte: »Von mir willst du den Weg erfahren?«
彼はほほえんで言った。「私から道を聞きたいのかね?」
Gibs auf!
不規則変化:母音が変わる
よく使う動詞の多くは、-te をつけずに語幹の母音を変えて過去形を作ります。これを強変化動詞と呼びます。カフカの文に出てくる主なものを挙げます。
| 不定詞 | 意味 | 過去形 |
|---|---|---|
| sein | 〜である | war |
| finden | 見つける | fand |
| liegen | 横たわる | lag |
| sehen | 見る | sah |
| gehen | 行く | ging |
| kommen | 来る | kam |
| laufen | 走る | lief |
| lassen | 〜させる | ließ |
| vergleichen | 比べる | verglich |
| werden | 〜になる | wurde |
母音以外も変わる、混ざった型の動詞もあります。
| 不定詞 | 意味 | 過去形 |
|---|---|---|
| haben | 持っている | hatte |
| denken | 考える | dachte |
| kennen | 知っている | kannte |
| wenden | 向ける | wandte |
| müssen | 〜しなければならない | mußte(今のつづりでは musste) |
| können | 〜できる | konnte |
『あきらめな!』の最初の文
次の読解で読む短編の書き出しです。
二つめの部分 die Straßen rein und leer には動詞がありません。waren(〜だった)が省かれています。カフカはこうして、文をコンマで短くつないで、歩いていく人の息づかいのような速さを出しています。
『変身』の過去形
冒頭文の二つの動詞は、ちょうど規則変化と強変化の一つずつです。
確かめる
sah の不定詞は?
sehen(見る)→ sah。強変化動詞です。
ging の不定詞は?
gehen(行く)→ ging。子音まで変わる珍しい型です。
ich fragte と er fragte、形の違いは?
過去形では、ich と er/sie/es の形が同じになります。どちらが主語かは、文の中の主語を見て判断します。